2022年3月27日

〔ヨハネの黙示録連続講解説教〕

第78回「ヨハネの黙示録11章3~4節」
(17/3/19)(その1)

3~4節「わたしは、自分の二人の証人に粗布をまとわせ、千二百六十日の間、
預言させよう。」この二人の証人とは、地上の主の御前に立つ二本のオリーブ
の木、また二つの燭台である。」

 振り返りです。
見者ヨハネの預言者としての初仕事が、始まりました。
それは何か。それが、「天の」ですが、神殿と祭壇のサイズを測り、そしてそ
こ(天の神殿)で礼拝している人たちの数を数えることだったのです。
 天の神殿ですから、今更、壊したり、再建したりする必要はないわけです。
が、これから世界が、破滅に向かうとする中で、その天の神殿で、どの部分が
残り、そしてどの部分が壊されるのか、そして、その天の神殿に集う人々の中
で、どの人々が残されるのか、を、神さまは、この測量と数え上げを持って示
されようとしたのです。
 そして、少なくとも、神殿の中と、そこで礼拝している人々は残される、と
いう「喜び」の結論が用意されていました。
 それでは、神殿の外庭にいる人はどうなのでしょうか。神殿の外庭にいる人
は、神殿の外に放り投げられて、終わりの時まで捨て置かれる、そしてその間、
「異邦人」と称する神の敵によって、神殿の外庭はもちろん、「聖なる都」、
おそらく天のエルサレムのことだとは思いますが、は蹂躙され、「後は知らな
いよ」ということになる、と言うことが言われていました。
 それでは、天の神殿で礼拝している人とは一体誰のことなのでしょうか。そ
して、神殿の外庭にいて、その救いから漏れる人とはだれのことなのでしょう
か。
 まず、天の神殿で礼拝している人ですが、ユダヤ教徒にして救われるべき人
は、既に刻印を押されていますし、殉教者は、これもすでに最後の救いに入れ
られることを保証されています。それでは一体だれが、…
 振り返ってみると、見者ヨハネが初めて「見者」としての召命を受けた後、
最初の仕事は、実は、天の幻を見ることではなく、7つの教会への手紙を託さ
れたことでした。幻を見、その幻を見ることも間もなく終わろうとしています
が、それも、そもそもは、第一には、7つの教会によって代表される教会に伝
えるためだったのではないでしょうか。
 そして、教会は、そして教会に連なる人は、見者ヨハネも実はその一人なの
ですが、この終わりの時にどのような運命をたどるのでしょうか、と言う問い
がのこされていました。
 それが、今、ヨハネの黙示録において初めて明らかにされているのです。
教会に連なる人は、イエス・キリストの贖いにより、既に天に上げられて、そ
この神殿で、天の神殿で礼拝に与る恵みに与っているのです。そのことが明ら
かになったのです。
 しかし、見者ヨハネが天の神殿とそこに礼拝する人の計測を命じられ、そし
て外にいる人の計測を禁じられたように、これから起こること、最後の試練に
おいて、振り分けられる、うっかりすると、庇護から漏れて、「放っておかれ
る」可能性もある、とも言われているのです。これからの教会の運命が心配で
す。
 と言うことを踏まえて、ここで二人の「証人(原語は「マルトゥス」で殉教
者の意味でもあります。)が遣わされました。しかし、この人々は誰で、どこ
へ、何のために遣わされたのでしょうか。そこを見ていきましょう。

3~4節「わたしは、自分の二人の証人に粗布をまとわせ、千二百六十日の間、
預言させよう。」この二人の証人とは、地上の主の御前に立つ二本のオリーブ
の木、また二つの燭台である。」
 「わたし」とは、神ないしは、天上のイエスですが、その「わたし」が、二
人の証人を立て、1260日の間、すなわち終末のときまで、預言活動をさせる、
そして、11章3節~13節に、この二人の預言者の預言活動の顛末が記されてい
るのですが、この二人の証人とは一体だれなのでしょうか。

(この項、続く)



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