2021年11月28日

〔ヨハネの黙示録連続講解説教〕

第69回「ヨハネの黙示録9章16〜19節」
(17/1/15)(その2)
(承前)

16〜19節「その騎兵の数は二億、私はその数を聞いた。わたしは幻の中で馬と
それに乗っている者たちを見たが、その様子はこうであった。彼らは、炎、紫、
および硫黄の色の胸当てを着けており、馬の頭は獅子の頭のようで、口からは
火と煙と硫黄とを吐いていた。その口から吐く火と煙と硫黄、この三つの災い
で人間の三分の一が殺された。馬の力は口と尾にあって、尾は蛇に似て頭があ
り、この頭で害を加えるのである。」

 まず、「騎兵の数が二億」です。この数をどう思われますか。当時世界の人
口がいかほどであったか、確かな数字はありませんが、世界人口が10億を超え
たのがごく最近のことであることを鑑みて、法外な数字であることが分かりま
す。
 そして次に騎兵の胸当ての色と馬が口から吐いていたものですが、「炎、紫、
および硫黄の色」であり、「火と煙と硫黄」でした。このうち、「紫」につい
ては、原語は「ヒュアキンシノス」と言い、ヒヤシンスの紫色のことです。青
白い炎の色を表わしている、と考えられます。
 騎兵の胸当ての色は、馬が口から吐いていたものに対応するのですが、色は
ともかく、馬が火と煙と硫黄を吐くといったことは、現実には考えらません。
創世記19:24において、神がソドムとゴモラを滅ぼす時にだけ、神が用いた手段
です。それに、煙が付け加えられました。
 更に、しっぽが蛇であって、しかも頭がついている馬など考えられませんが、
民数記21:6にあるように、この馬が人間を殺すため造られたものであることを
表わしているのでしょう。
 よってこれらの馬は、「人間を殺す」という目的のためにしつらえた「悪霊
のような存在」、なのであり、これらを御することができるのは、神以外には、
天使しかいないのです。
 そして、逆にそれらを御することができたので、この「4人の天使」はよい
天使ではなく、堕天使であったことが分かるのです。
 堕天使ですから、自らが軍団の長になるなどという「素直」なことはしませ
んでしょう。当然、これらの軍団の馬、そして騎手は、用済みとなれば、エゼ
キエル書39:11以下にあるように、打ち捨てられて、墓場に埋められることで
しょう。堕天使どもは、12章にあるごとく、しぶとく生き残ることとなるので
す。
 もともとは、殉教者の怨念(を晴らす)ことから始まった災いです。
しかし、神はそのために、堕天使を用いられ、悪を持って、悪をたたかれまし
た。「なんで神が、そのようなことをなさるのか」と思われるかもしれません
が、それは、私たちが日常の政治の中で行ってきたことそのものではありませ
んか。
 世界はやはり、第6の災いに行きつくこととなるのです。

(この項、完)



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