2021年9月26日

〔ヨハネの黙示録連続講解説教〕

第65回「ヨハネの黙示録8章12〜13節」
(16/12/11)(その1)

12〜13節「第四の天使がラッパを吹いた。すると、太陽の三分の一、月の三分
の一、星という星の三分の一が損なわれたので、それぞれ三分の一が暗くなって、
昼はその光の三分の一を失い、夜も同じようになった。

 また、見ていると、一羽の鷲が空高く飛びながら、大声でこう言うのが聞こ
えた。『不幸だ、不幸だ、不幸だ、地上に住む者たち。なお三人の天使が吹こ
うとしているラッパの響きのゆえに。』」
 今日のところは、天使のラッパ吹きによる四つの災いの最後のところですの
で、四つ目の災いが何であるか、を確認しつつ、四つの災いを貫くメッセージ
をも受け取ってまいりたい、と思います。
 「第一のラッパ」の音と共に、もたらされたのは雹でした。雹と言っても、
終末の雹ですから、それは厳しいものではありました。しかしそれでも、ファラ
オの場合と同じように、神は心が 動くことを求めておられるのです。全滅ま
ではまだまだなのです。
 第二の天使のラッパ吹きによって引き起こされた災害と、その結果起こった
ことは、「火で燃えている大きな山のようなもの」が海に投げ込まれ、海の三
分の一が血に変わり、また、海に住む生き物の三分の一は死に、船という船の
三分の一が壊される、という事態でした。この「火で燃えている大きな山のよ
うなもの」は隕石である、と考えられます。つまり、本来は教会の守り神であ
る「星」がその身の一部を削ってひきおこした災厄であったのです。第二の災
厄は、天使の痛みを覚えさせるものであり、それで、その意味でやはり悔い改
めを求めるものであったのです。
 第三の災厄はどうでしょうか。第三のラッパによって引き起こされた災厄は、
「松明のように燃えている大きな星が、天から落ちて来て、川という川の三分
の一と、その水源に落ちた。この星の名は、「苦よもぎ」と言い、水の三分の
一が苦よもぎのように苦くなって、そのために多くの人が死んだ。」というも
のでした。
 一見すると第二の災厄の応用編、あるいは変形に見えるかもしれません。し
かしこれは、この星の名が「苦よもぎ」という名であることにより、教会の守
り神である星が身を削って飛び込んだ災厄ではなく、神がまさに怒り心頭にし
て下された災厄であることが分かるのです。
 旧約聖書の「苦よもぎ」に関する用例を見ると(全9回)、すべて、偶像礼
拝、そして神からの浮気に関するものです。そして、新約聖書で、「苦よもぎ」
が登場するのは、ここだけです。ここには、いかに寛容であっても、偶像礼拝、
浮気だけは許さん、という神の「思い(怨念)」が込められているのではない
でしょうか。それゆえ、「多くの人が死んだ」という先走りもありますが、偶
像礼拝(浮気)だけはしなさんな、という悔い改めの勧めでもあるわけでする。
 それでは、第4の天使のラッパによって引き起こされる第4の災厄はどうで
しょうか。
それは次のようなものでした。

12節「第四の天使がラッパを吹いた。すると、太陽の三分の一、月の三分の一、
星という星の三分の一が損なわれたので、それぞれ三分の一が暗くなって、昼
はその光の三分の一を失い、夜も同じようになった。」

 前半は、分かりやすいのではないでしょうか。日食、月食、そして、現代で
はそういうことがないことは分かっていますが、星の3分の1が光を失うという
事態です。しかし、後半の特に「昼はその光の三分の一を失い、夜も同じよう
になった。」については、この日本語は意味をなさないので、つまり、翻訳が
日本語になっていないので、最初にテキストの問題に触れておきたい、と思い
ます。
 原文をきちんと訳しますと、「昼は、その三分の一を照らさなくなり、夜も
同前であった。」となります。要するに、昼の三分の一の時間は真っ暗闇にな
り、夜もそうであった、ということなのです。皆様、そう読めました?読めま
せんよね。こういうあいまいな日本語を使ってはいけません。
 そこで、話を、テキストは、「昼は、その三分の一を照らさなくなり、夜も
同前であった。」であるとして話を進めてまいりたい、と思います。

(この項、続く)



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