2021年8月29日
〔ヨハネの黙示録連続講解説教〕
第63回「ヨハネの黙示録8章8〜9節」
(16/11/27)(その1)
8節「第二の天使がラッパを吹いた。すると、火で燃えている大きな山のよう
なものが、海に投げ入れられた。海の三分の一が血に変わり、また、被造物で
海に住む生き物の三分の一は死に、船という船の三分の一が壊された。」
昨日は、寒い日でしたが、いつものように、前回までの振り返りから始めま
しょう。
第七の封印の開封がなされ、七人の天使にそれぞれラッパが渡され、その
ラッパの演奏と共に、いよいよ災いが始まる、という場面です。
その災いの内容は、8節によれば、「雷、さまざまな音、稲妻、地震でした。
そして、これらの自然災害が、4人の天使が順に吹くラッパの音と共に下され
る、と言うのが、8節から13節の内容です。
ラッパは、旧約聖書では「角笛」として登場します。この角笛は、何よりも
戦いの合図です。神が、ヤーウェが顕現する場面でも登場しまして、モーセや
民はシナイ山で、角笛の音と共に神に出会います。(19:16)
それで、いわゆる「聖戦思想」においては、「角笛」の音と共に、神が「敵
を倒してくださる、」という信仰に至るわけです。
終末、終わりの時、とは何か、と言えば、それは、神が、神に敵対するこの
世の勢力に対して最終決戦を挑まれることですから、「角笛」のちには「ラッパ」
の音は、神が「敵対勢力」に滅びをもたらす合図、ということになるのです。
それでは、「第一のラッパ」の音と共に、どのような滅びがもたらされたの
でしょうか。
7節「第一の天使がラッパを吹いた。すると、血の混じった雹と火とが生じ、
地上に投げ入れられた。地上の三分の一が焼け、木々の三分の一が焼け、すべ
ての青草も焼けてしまった。」
雹です。私たちは、出エジプトの際、神がファラオを始めとするエジプトに
下された11の災いの中に、雹の災いがあったことを忘れるわけにはいきません。
この、出エジプトの際、神がファラオを始めとするエジプトに下された雹は
厳しく、「野のあらゆる草が打たれ、野のすべての木を打ち砕いた、(25節)」
とあります。また、「亜麻と大麦は壊滅した(31節)」とあります。エジプトの
雹はすごいのでしょうか。しかしそれにもかかわらず、雹はファラオの心を動
かすためのものでした。
しかし、残念ながら、雹では、ファラオの心は動かなかったのですが、とは
言え、最終的には、「初子の死」という災い、神の罰によってファラオの心は
動き、出エジプトの民は、解放を体験した、という体験を持っているのであり
ます。
今度は、終末の裁きでありますから、雹は雹でも並みの雹ではありません。
「血の混じった雹と火」でした。ところが、この雹をしても、地は全滅してし
まわない。火事は地上の三分の一、木についても三分の一、草は全滅した、と
ありますが、むしろ、この「草は全滅した」というテキストの方が、9:4と
の関連で、後の修正である、本来はここも三分の一であった、とみなす学者も
いるくらい。
これは一体どうしたことなのでしょうか。
いろいろな解釈が可能か、と思いますが、私はこう思います。滅びと言っても、
ファラオの場合と同じように、神は心が 動くことを求めておられるのです。
全滅まではまだまだなのです。神はそういうお方なのです。
と言うことは、「終末の滅び」も、悔い改めの延長線上、それが本当に尽き
たところにある、ということです。
今日は、前回に引き続きまして、第二の天使のラッパ吹きによって引き起こ
された災害と、その結果起こったことについて学びます。
ここでは何が起こり、また、わたしたちは、この出来事から、どのような
メッセージを受け取ることができるのでしょうか。学んでまいりましょう。
(この項、続く)
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