説教20210801

2021年8月1日

〔ヨハネの黙示録連続講解説教〕

第61回「ヨハネの黙示録８章１～５節」
（16/10/23）（その１）

１～５節「小羊が第７の封印を開いたとき、天は半時間ほど沈黙に包まれた。
そして、わたしは７人の天使が神の御前に立っているのを見た。彼らには７つ
のラッパが与えられた。また、別の天使が来て、手に金の香炉を持って祭壇の
そばに立つと、この天使に多くの香が渡された。すべての聖なる者たちの祈り
に添えて、玉座の前にある金の祭壇に献げるためである。香の煙は、天使の手
から、聖なる者たちの祈りと共に神の御前に立ち上った。それから、天使が香
炉を取り、それに祭壇の火を満たして地上に投げつけると、雷、さまざまな音、
稲妻、地震が起こった。」

　いよいよ第七の封印の開封が始まりました。これが開かれて、どのような
「災い」が待っているのでしょうか、というところで、第一の封印の開封から、
第六の封印の開封まで、ざっと振り返っておきたい、と思います。
　小羊が、7つの封印を順に開いています。4つ目の開封まで、馬が出て来て、
地上に災厄をもたらしました。神の裁きです。しかしそれは、神の警告であって、
神はあくまでも、悔い改めを待っておられました。
　悔い改めがなされるかどうか、は今後の課題ですが、ここで第5の開封にお
いて、クレーマーが登場しました。殉教者たちです。
　この人々が、「真実で聖なる主よ、いつまで裁きを行わず、地に住む者にわ
たしたちの血の復讐をなさらないのですか。」と叫ぶのです。しかし、この者
たちには、「待て」が出されますが、復活の命の保証として「白い衣」が与え
られました。
　そして、第六の封印の開封と共に明らかにされたことは、しばらくは「この
ままいく」と言うことです。一つは、神は更に、裁きとしての災厄を与えて、
警告を続けることを進められること、そして、もう一つは、復活の身体を先取
りさせていただいた更に多くの人々が登場すこととなりました。
　まず、神によって「聖なる民」とされたイスラエル（申命記７:６）、につい
てはどうなのでしょうか。彼らは、イエス・キリストよりも先の時代に生きて
いたので、イエス・キリストを知らないのですが。
　これについては、刻印作業を通して、原則として全員が救われる、というこ
とを神は約束なさいます。
　そして、殉教者の大群衆です。この大群衆は、白い衣を着ていました。殉教
者に対して救いが、先取りされているのです。
　その「殉教者」にして、復活の命の保証を受けた者たちが、何をしているか、
と言えば、この段階に来ると、もはや「復讐」コールではなく、賛歌、讃美歌
を歌っていた、ということなのです。それは、「復讐」が成し遂げられた、そ
の保証が与えられた勝利の雄叫びだったのです。迫害されている者を救い出し、
迫害する者を打ち倒すことができる、ということは、「神が力強いお方」であ
られる、ということだったのです。
　そのことを今度は天使が賛美いたします。このような感謝を経て、神の勝利
は、やっと殉教者にとっての「慰め」へとつながっていきます。
　その「慰め」とは何か？それは、「聖化」なのです。彼らは、キリストの業
に文字通り参与したのですから、キリストと共に、神の子として、神に最も近
くいることが許されるのです。
　もっと具体的に言うと、邪魔されることなく、日夜礼拝をしている恵みが与
えられた、ということです。
　そして、その礼拝の恵みが、もっと具体的になにを指しているか、と言うと
それは、「神の国の供食」、これこそが、天国での慰めだったのです。
　この供食はもちろんすべての人に用意されていますが、殉教者には、先取り
されて、先に与えられる、しかも、「神が彼らの目から涙をことごとくぬぐわ
れるからである。」という慰め付きででした。
　しかし、殉教者に対する救いの先取りはそこまでで、いよいよ、第七の封印
の開封と共に、神の裁きが実行される段階に入るのですが、それはまず、殉教
者の要望、祈りに答えるものでありました。

１～２節「小羊が第７の封印を開いたとき、天は半時間ほど沈黙に包まれた。
そして、わたしは７人の天使が神の御前に立っているのを見た。彼らには７つ
のラッパが与えられた。」

　天国での出来事の信仰は、見者ヨハネの「そして、わたしは見た。」という
言葉によって進行していきますが、７つ目の封印の開封と共に、彼が見たもの
は、神の御前に立つ７人の天使にラッパが渡されたことでした。このラッパが
一つずつ吹かれることによって、災いが進行して参ります。
　が、その第一のラッパの演奏の前にあったのが、半時間ほどの「沈黙（スィゲー）」
でした。

（この項、続く）