2019年04月28日

〔使徒言行録連続講解説教〕

第1回「ヨハネの黙示録1章1〜3節」
(15/4/12)(その3).
(承前)

 これから述べられることは「黙示」と呼ばれています。原語は「アポカリュ
プシス」と言います。「アポカリュプシス」は本来は「示す」という意味の語
なのですが、ダニエル書2:19、22、28、29、30、10:1でだけは、神が終わ
りの日に起こる秘密を示す、という意味で用いられており、ここは新約では
唯一その意味で用いられています。この書で示されているのは、ドミティアヌ
ステイの迫害に始まる終わりの日の出来事なのです。
 しかし、終わりの日の出来事を示すということは、まだ、起こってはいない
出来事を示す、ということです。いかにして、その真実性が保証されるので
しょうか。
 そこで、この黙示の出どころと伝えられ方が問題となります。
第一に出どころですが、それはイエス・キリストです。言うまでもなく、イエ
ス・キリストは地上において、人間イエスとして愛の業に励まれ、十字架にて
贖いの業を完成されました。そのすべてが神のみ心によるものであったことを
クリスチャンは知っています。今はよみがえられて、天にあるイエス・キリス
トが、この黙示の発信源です。それゆえ、信用できるのです。
 しかも、その黙示は、天使を通してヨハネに伝えられ、示されました。天使
は、復活を告げ知らせたように、神の証人です。それゆえ、ヨハネに伝えられ
た黙示は真実なのです。

2節「ヨハネは、神の言葉とイエス・キリストの証し、すなわち、自分の見た
すべてのことを証しした。」

 そして、ヨハネは自分に示されたことを忠実ゆえに、差し迫った迫害にうろ
たえているクリスチャンに、確かな指針となりうるのです。

3節「この預言の言葉を朗読する人と、これを聞いて、中に記されたことを守
る人たちとは幸いである。時が迫っているからである。」

 わたしだけの主観的見解かもしれませんが、今の日本のクリスチャンもうろ
たえています。かつてのキリスト教ブームはとっくに去り、潮目は変わり、厳
しい逆流にさらされています。これから何が起きるのか、不安です。
 しかし、復活の主から確かなスジを通して示された使信がある。それがヨハ
ネの黙示録なのです。黙示を解くのはなかなか難しいかもしれません。時には
よみまちがえるかもしれません。しかし、聞いて、必死に理解しようとすると
き、これらの言葉はきっと、不安におびえるわたしたちに力となるのではない
でしょうか。そう信じて読み進めてまいりたい、と思います。

(この項、続く)


第2回「ヨハネの黙示録1章4〜5節a」
(15/4/19)(その1).

4節〜5節a「ヨハネからアジア州にある七つの教会へ。今おられ、かつてお
られ、やがて来られる方から、また、玉座の前におられる七つの霊から、更に、
証人、誠実な方、死者の中から最初に復活した方、地上の王たちの支配者、イ
エス・キリストから恵みと平和があなたがたにあるように。」

 先週から「黙示録」の講解説教が始まりました。
それで先週は「黙示」という言葉の意味を中心にお話ししました。
「黙示」という言葉の原語は「アポカリュプシス」と言います。「アポカリュ
プシス」は本来は「示す」という意味の語なのですが、ダニエル書2:19、22、
28、29、30、10:1でだけは、神が終わりの日に起こる秘密を示す、という意
味で用いられており、ここは新約では唯一その意味で用いられています。ここ
で記されているのは、これから、終わりの日に起こることなのです。
 しかし、終わりの日の出来事を示すということは、まだ、起こってはいない
出来事を示す、ということです。いかにして、その真実性が保証されるので
しょうか。
 そこで、この黙示の出どころと伝えられ方が問題となります。
第一に出どころですが、それはイエス・キリストです。言うまでもなく、イエ
ス・キリストは地上において、人間イエスとして愛の業に励まれ、十字架にて
贖いの業を完成されました。そのすべてが神のみ心によるものであったことを
クリスチャンは知っています。今はよみがえられて、天にあるイエス・キリス
トが、この黙示の発信源です。それゆえ、信用できるのです。
 しかも、その黙示は、天使を通してヨハネに伝えられ、示されました。天使
は、復活を告げ知らせたように、神の証人です。それゆえ、ヨハネに伝えられ
た黙示は真実なのです。
 そして、ヨハネは自分に示されたことを忠実に伝えました。ゆえに、信頼で
きます。
 信用でき、信頼もでき、そして、真実でありますから、「黙示録」は、ある
かないか分からないことを、誰かが妄想のうちに書いたものではなくて、わた
したちの行動の指針となりうるのです。

(この項、続く)



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