2006年05月07日

『神からの掟−愛

主たる聖書テキスト: ヨハネの手紙一 4章13〜21節


 この世における神のご事業は、それが大きいものであればあるほ
ど、困難を伴います。しかし、そこで神はあきらめてしまうなどと
いうことは一切ない。召された者内部の体制固めを求められる。そ
の上で、力をつけて、神のご事業に取り組むことが、召された者た
ちに求められているのです。さて、それでは、新約の時代、そして
そして教会の時代、神のご事業をなすための教会の体制固めとは、
どのようなことが求められるのでしょうか。まず第一に考えられる
ことは、組織を整えることです。これについては、今の時代の教会
のように整っていないとは言え、すでに新約聖書の時代に、教会に
連なる一人一人が、役割は違えども、皆、教会の大切な部分である、
ということがTコリント12:27〜に述べられています。確かに、教会
における一人一人の賜物は異なっていますけれども、私たちは、教
会における様々な働きを、皆大切な、キリストによる召命であると
認めることによって、組織を固め、神の大事業を担うにふさわしい
内部固めを図ることができるのです。

 が、しかし、神のご事業を担うための教会の内部固めとして、も
っと大切なことがあるのです。それは、本日の使徒書テキスト、T
ヨハネ4:13〜に記されているのですが、教会自身の召命を確認する
ということです。教会がもし、自己保存のためだけに動いていると
したら、どんな立派な教会であろうとも、神のご事業にとっては何
の役にも立ちません。教会が、自分自身のためでなく、神に召され
た者、神のご事業のために遣わされた者としての働きをする時、そ
こには、本当に大きな神の御心がなされるのです。しかし、それは
どうやって、何を確認していったらいいのでしょうか。Tヨハネで
は、まず第一に、13節にあるように、わたしたち(教会)が神の内に
とどまり、神もわたしたちの内にとどまっているかどうかが、まず
問われるのです。教会は、神について、キリストについて語るに止
まりません。神が教会の中にいてくださり、教会が神の中にいるこ
とが、神がご事業のために召された教会の、まず第一の本来的なあ
り方なのです。横の組織を強めることも必要でしょう。が、それと
同時に、いやそれ以上に、教会が神と一つで、一体であること、こ
れこそ、神の召しにふさわしい共同体のあり方なのではないでしょ
うか。

 しかし、私たち教会に属する者は、教会が神と一体、神に召され
た共同体であることをどうやって示していくのでしょうか。それは、
15節に「イエスが神の子であることを公に言い表す人はだれでも、
神がその人の内にとどまってくださり、その人も神の内にとどまり
ます。」とあるように、イエスが神の子であることを公に言い表す、
すなわち真の信仰告白がなされるとき、教会が本当に神に召された
ものであることがわかるのです。が、口先だけではないまことの信
仰告白が、どのようにしたらできるでしょうか。それは、14節にあ
るように、わたしたちは、御父が御子を世の救い主として遣わした
ことを見たがゆえに、また、16節にあるように、わたしたちは、わ
たしたちに対する神の愛を知り、また信じているがゆえにできるの
です。私たちは、御子イエス・キリストが、神と一つであられたが、
そのことを良しとせず、この世を愛するあまり、あえてこの世に降
り、この世の苦しみを共に担い、そして十字架の贖いの愛をもって
その愛を全うしてくださったことを知っているがゆえに、まことの
信仰告白ができるのです。もちろん、私たちは使徒たちのように直
接には見ていません。しかし、聖霊の助けによって、この救いの事
実は私たちにも示され、主が私自身のために苦しんでくださったこ
と、愛してくださったことを知っているのです。ゆえに、私たちに
も真の信仰告白が与えられているのです。

 さて、教会が神と一つとなるとき、そこに何が起こるでしょうか。
そこには愛、アガペーが満ち溢れるのです。アガペーとは、貫き通
す愛です。私たちはどうでしょうか。私には、そんな貫き通す、ア
ガペーの愛はもてない、とお感じの方もいらっしゃるかもしれませ
ん。しかし、ご安心ください。アガペーは、19節にあるように、ま
ず、神がキリストを通して与えてくださった愛なのです。神のアガ
ペーは、とりわけ神に逆らう者に示されました。この愛のおかげで
私たちは生きる者となったのです。私たちはすでにアガペーを戴い
ている。この愛をもって恐れることなく、神のご事業に参与させて
いただきましょう。

(2006/05/07 三宅宣幸牧師)

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