『最初の安息』

主たる聖書テキスト: 創世記2章1〜3節


　創世記1章1節〜2章4節前半の天地創造物語ですが、この物語によ
れば、神様は文字通り天地の万物をお造りになりました。人間ばか
りではありません。諸動物も植物も、地の上のすべてのものも、天
体も、すべてが神によって造られた被造物なのです。ですから、す
べては神様の支配下にあるのです。私たちはこのメッセージはしっ
かり受けとめておきましょう。私たちは権力を恐れます。また、日
本人は特に、たたりがあるとか、罰が当たるとか、諸霊の働きを恐
れます。が、権力はもちろん、諸霊というものがたとえあるとして
も、それらはすべて神の被造物であるがゆえに、何ら恐れるに足り
ないのです。クリスチャンは悠然としていればよい。すべてのもの
は、神の支配下にあるのです。そして、神の支配下にあるときに、
「極めて良かった」(1:13)と言えるのです。

　が、それでは、神の創造の業がこの時ですべて完成し、世界が、
宇宙がうまくいくようになったし、今も結局はうまくいっているの
だ、と言えるかどうかというと、そうではありません。私たちの経
験法則から言っても、2005年一年を振り返っただけでも、神様の創
造のご意思とはちょっと違うのではないかと思われる悪が、世界全
体ではもちろん、私たちの身近にもたくさんあるのではないでしょ
うか。なぜなのでしょうか。それは、神様は光を造ることをもって
天地創造の業を始められましたけれども(1:3)、闇も残されたのです。
闇(夜)の中に天体を配置されましたけれども、闇そのものは残った。
それゆえ、被造物は光の下にある時、すなわち神の支配下にあると
時はいいのですが、もしも、神の支配下から外れることがあれば、
光の中ではなく、闇の中を歩むことになってしまう。そして、その
ことはしばしば起こってきましたし、今も起こっている、すなわち
罪であります。

　さて、ここから本日のテキストに入ってまいります。2:1「天地万
物は完成された。」とあります。こうして六日間で天地万物は神様
の手によって成り、完成の時を迎えました。しかし、ここは原文を
よく読むと、「天地のすべての軍勢が完成された」とあります。つ
まり、神様は天地創造の業を通して、いわば「将棋の駒」を完成さ
れたようなものなのです。さあ、これで皆が揃いました。しかし、
それぞれの駒がどう動くのか、どのような世界をつくりだしていく
のか、は被造物に課せられた課題なのです。

　そこで、神様は、第七の日、一週間という単位でいえば最後の日
を、この創造の業が意味あるものとなるために、成就するために、
この七日間でもって最も大切な日として定められました。その日、
創造の業をそこで休み、安息し、つまりやめ、その日を聖別した、
礼拝する日とされたのです。つまり、創造の業の目的は何かと言え
ば、神を礼拝するため、つまり、神によってすべてのものが救いに
与るため、ということを明らかにする日とされたのです。私たちも
週に一度の主の日の礼拝を大切にしていきたいものです。

　さて、ユダヤ教の人々も安息日は大切に守ってきましたが、イエ
ス様が言われた「人の子は、安息日の主である」(マルコ2:28)とは、
どのような意味でしょうか。福音書を読むと、イエス様が安息日の
戒め破りをされた記事ばかりが目立つかもしれません。しかし、イ
エス・キリストは安息日を軽視されたのではなく、救いの日として
生かされたのです。イエス・キリストはその生涯の最後において、
安息日の前日に十字架にかかられました。息をひきとられ、そして、
安息日の次の日、週の初めの日の朝、復活されたのです。というこ
とは、主イエス・キリストは安息日には、黄泉にいらしたのです。
すなわち、一人一人の罪を負って、十字架上での死を死に、黄泉に
降ってくださった、その贖いの業が成就した日こそ、安息日だった
のです。そして、その贖いの業を全うされて、翌日復活されたので
す。

　すなわち、ここに安息日はイエス様によってイエス様によって本
来の意味を再獲得したのです。神様は、すべての被造物を愛してお
造りになられ、救われるようにと願って送り出されました。しかし
ながら、特に人間は、しばしば神様の御心に背いて、安息日の眞の
意味を顧みませんでした。しかし、キリストがこの日をして救いの
成就の日としてくださったからには、私たちは主の日の礼拝を守る
ことにより、より一層救いに近づこうではありませんか。

(2006/01/01　三宅宣幸牧師)


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